GTARP(GTAロールプレイ)には、独自の用語や略語が数多く存在する。サーバーのルールページやDiscordの注意書きは、これらの用語を前提に書かれていることが多く、意味を知らないまま参加するとルール違反につながることもある。
この記事では、GTA6 FEEDが主要な英語圏の用語集と、日本の配信者サーバー文化で使われる表現をもとに、初心者がサーバーのルールを自力で読めるようになることを目標に、必須用語を意味のまとまりごとに整理した。
なお、ここで示す定義はGTARP全体で共有される一般的なものだが、細かい扱いはサーバーや国によって異なる。用語をすべて完璧に覚えてから参加する必要はない。基本だけ押さえたら、あとは実際にサーバーに入り、街の人に教えてもらいながら覚えていくのが一番の近道である。最終的には、参加するサーバーのルール(六法)と、その街の住人の案内に従うことが大前提となる。

初心者が最初に覚えたい10語
GTARPを始める前に、まずは次の10語だけ押さえておけばよい。残りは遊びながら覚えれば十分である。
| 用語 | ざっくりした意味 |
|---|---|
| RP | キャラクターになりきって遊ぶこと |
| メタ | キャラが知り得ない情報を使うこと |
| RDM | 理由なく他人を攻撃・殺害すること |
| VDM | 理由なく車で人を轢くこと |
| パワープレイ | 相手の選択肢を奪う一方的なRP |
| 瞑想 | ゲームやクライアントの再起動の言い換え |
| 歪み | バグ・不具合の言い換え |
| 心無き | NPC(モブ住人)の言い換え |
| 六法 | そのサーバーの公式ルール |
| BAN | サーバーから追放されること |
1. 基礎概念 ―― まずここから
RP(ロールプレイ)
役割演技のこと。プレイヤーがゲーム内のキャラクターになりきり、その人物として街で生活し、他者と関わる行為全般を指す。GTARPでは、ゲームを「攻略」するのではなく、一人の住人として「演じる」ことが基本姿勢となる。
IC(イン・キャラクター)
キャラクターとしての言動・情報・出来事を指す。ゲーム内でキャラクターが体験したことはICの知識であり、RPはこのIC世界の中で進行する。
OOC(アウト・オブ・キャラクター)
キャラクターの外側、すなわち中の人(プレイヤー本人)としての言動・情報を指す。Discordや配信、専用のOOCチャットでのやり取りはOOCにあたる。ICとOOCを混同しないことが、RPの根幹的なマナーである。
キャラメイク
自分が演じるキャラクターの外見・名前・設定(生い立ちや性格、職業など)を作り込む作業。RPの出発点となる。
没入(イマージョン)
その場が本物の世界であるかのように感じられる状態。GTARPの多くのルールは、この没入を壊さないために存在する。
観測者
日本の配信者サーバー文化で使われる、視聴者の呼び方。プレイヤーとして街に入るのではなく、配信を通じて街の出来事を「観測」する立場を指す。
2. 禁止・トラブル系 ―― ルール違反になりやすい用語
このカテゴリの用語は、違反するとキックやBANにつながる重要なものである。定義の細部はサーバーによって異なるため、必ず各サーバーのルールを確認してほしい。
RDM(ランダムデスマッチ)
Random Death Matchの略。正当なRP上の理由や経緯がないまま、他プレイヤーを攻撃・殺害する行為。GTARPでは暴力にも物語上の文脈が求められるため、いきなり他人を撃つような行為は重大な違反とされる。
VDM(ビークルデスマッチ)
Vehicle Death Matchの略。車両を凶器として用い、理由なく他プレイヤーを轢く・殺害する行為。RDMの車両版にあたり、多くのサーバーでキックやBANの対象となる。
メタ/メタ発言(メタゲーミング)
キャラクターが本来知り得ないOOCの情報を、IC行動に持ち込む行為。たとえば、配信や別視点、Discordで知った居場所へキャラとして向かう、といった行動がこれにあたる。RPの公平性を根本から壊すため、最も嫌われる違反の一つである。
指示コメント/指示厨
視聴者がコメント欄で配信者に具体的な行動を指示する行為、およびそれを行う人を指す日本の配信文化特有の用語。「あの人に話しかけて」「○○へ行けば会える」といったコメントは、メタを誘発しRPを壊すため、多くのサーバーや配信で明確に禁止されている。ストグラ公式も、こうした指示コメントを禁止事項として挙げている。
鳩/鳩コメント(はと)
別の配信や別視点で見た情報を、コメント欄で他の配信者に伝える行為を指す。「○○さんが今そっちに向かってる」「裏でこう言ってた」といったコメントがこれにあたる。RP内では本来知り得ない情報を運んでしまうため、メタやゴースティングの原因になりやすく、指示コメントと並んで多くの配信で禁止されている。
お気持ち
視聴者が配信者やキャラクターの行動に対して、過度な意見・説教・批判を送ることを指す。コメント欄だけでなく、SNSやDMで送られる場合もある。RPは参加者同士が作る物語であり、観測者が外側から過剰に介入すると、プレイヤーの自由なロールプレイを妨げる原因になる。
パワープレイ(パワーゲーミング)
相手に反応や反論の余地を与えず、一方的に行動を押し付ける行為。あるいは、ゲームの仕様を非現実的に悪用して自分だけ有利になる行為。RPは共同で物語を作るものであり、相手の選択肢を奪う言動は違反とされる。
NLR(ニューライフルール)
New Life Ruleの略。キャラクターが死亡(蘇生されず完全に死ぬケース)した場合、死の前後の記憶を失い、死亡現場への即時復帰やその件での復讐をしない、というルール。ダウン(一時的な行動不能)と完全な死をどう区別するかはサーバーによって異なる。
キャラブレ
演じているキャラクターの設定や性格を無視した、一貫性のない言動。意図せず中の人の素が出てしまう場合も含む。
貫通RP(かんつうRP)
中の人(プレイヤー本人)の感情が、キャラクターの言動を「貫通」して表に出てしまうこと。特に、怒りや不快感といったOOCの素の感情が、ICのやり取りに漏れ出てしまう場面で使われる。キャラブレと近いが、設定との不一致というより、本人の感情そのものが出てしまう点に重きがある。
ゴースティング
他プレイヤーの生配信や別視点を見ながら、そこで得た情報を使って相手の居場所を割り出したり、追い詰めたり、不当に有利を得たりする行為。英語圏ではストリームスナイプ(stream sniping)とも呼ばれるが、日本のGTARPコミュニティでは「ゴースティング」「ゴースト」と呼ばれるのが一般的である。メタの一種であり、固く禁じられている。
CK(キャラクターキル)
Character Killの略。キャラクターの永久的な死を指す。CKされたキャラクターは二度と使用できなくなることが多く、運営の承認や当事者間の合意を伴う重い扱いとされるのが一般的である。
PK(プレイヤーキル)
Player Killの略。CKのような永久的なキャラクター削除ではなく、一時的な扱いを指す。ただし具体的な内容はサーバーによって異なり、一時的な死亡・敗北を指す場合もあれば、死の前後の記憶処理を伴う扱いとされる場合もある。
3. コマンド・システム系 ―― ゲーム内の仕組み
瞑想(めいそう)
ゲームやクライアントの再起動を、RPの世界観を壊さないように言い換えた表現。不具合や動作の不調でいったんゲームを落とす必要があるとき、キャラクターが「瞑想する」と表現することで、その場の没入を保ったまま離脱・復帰できる。サーバーやコミュニティによって、こうした言い換えの言葉は異なる。
歪み(ゆがみ)
バグや不具合を、RPの世界観を壊さないように言い換えた表現。挙動がおかしくなったり処理が乱れたりした状況を「歪みが起きた」などと表現することで、没入を保ったまま不具合に触れられる。瞑想と同じく、こうした言い換えはサーバーやコミュニティによって異なる。
心無き(こころなき)
街にもとから存在するNPC(プレイヤーではないモブ住人)を指す言い換え。意思を持って演じる住人と区別するために、こう呼ばれる。やはり世界観を保つための表現であり、呼び方は街によって差がある。
心の目(こころのめ)
左Altキーを指す言い換え表現。多くのサーバーでは、左Altを押している間、周囲のプレイヤーの名前やIDなどが表示される。「心の目で見る」のように使い、この機能で相手の名前を確認する動作を、世界観を保ったまま表すために用いられる。表示される内容や対応の有無はサーバーによって異なる。
衛星(えいせい)
配信・放送そのものを指す言い換え表現。RP世界の没入を壊さないために使われる。「衛星がついている」で、配信中であることを示す場合がある。
喉(のど)
マイクや声の調子を指す言い換え表現。「喉の調子が悪い」で、マイクの不調や声が出しづらい状態を、RPの世界観を保ったまま伝えるために使われる。
起床/就寝
サーバーにログインすることを「起床」、ログアウトすることを「就寝」と言い換える表現。街の中での生活感を保つために用いられる。
強制瞑想(きょうせいめいそう)
サーバーの定期再起動などにより、参加者全員が一度ログアウト・再接続する必要がある状態を指す。個人の再起動やリログを表す「瞑想」に対し、強制瞑想はサーバー側の都合で発生する点が異なる。
夢の世界(ゆめのせかい)
OOC、すなわち現実側・キャラクターの外側を指す言い換え表現。ICの街を「現実」と見立てる世界観のなかで、ゲーム外の現実を「夢の世界」と表現することがある。
ダウン
体力を失い行動不能になった状態。多くのサーバーではこの時点ではまだ「死亡」ではなく、救急隊(EMS)の救助によって復帰できる。完全な死亡とダウンの区別は、前述のNLRとも関わる重要な概念である。
EMS
Emergency Medical Servicesの略。救急隊・医療従事者を演じるプレイヤー、またはその職業を指す。負傷者の搬送・治療を担う。
PD/LSPD
PDはPolice Department(警察組織)、LSPDはロスサントス市警(Los Santos Police Department)の略。GTAの舞台ロスサントスの警察を指し、日本のサーバーでもこの呼び方が定着している。治安維持を担う側のロールであり、犯罪系のロールと対になって街の物語を動かす。
ホワイトリスト(WL)
申請や審査を通過した人だけが参加できる仕組み。誰でも入れる公開サーバーと異なり、ルールを理解した参加者に限定することで、RPの質とサーバーの治安を保つ目的がある。
4. サーバー・コミュニティ系 ―― 日本のGTARP文化
鯖(さば)
サーバーのこと。日本のコミュニティでは「サーバー」を「鯖」と表記・呼称することが多い。
スト鯖
ストリーマーサーバーの略。配信者を中心に構成・運営されるサーバーを指す。視聴者を巻き込んだ大きな盛り上がりを生みやすい。
野良(のら)
知らない人同士が集まる状態、または誰でも参加できる公開サーバーを指す。「野良で遊ぶ」といった使い方をする。
身内/身内鯖
知り合いや仲間内だけで集まる、クローズドな関係性やサーバーを指す。野良の対義的な使われ方をする。
ストグラ
「ストリートグラフィティ ロールプレイ」、通称ストグラ。しょぼすけ氏が運営する、日本のGTARP文化が広く知られるきっかけになった大型ロールプレイ企画の一つ。多数の配信者・VTuber・著名人が参加し、日本におけるGTARP人気を強く牽引してきた。視聴者は「観測者」と呼ばれる。
VCR GTA
VAULTROOMとCrazy Raccoonが主催する、招待制・期間限定の大型GTARPイベント。常設のストグラとは異なり、開催期間を区切って実施される点が特徴とされる。
六法(ろっぽう)
そのサーバーの公式ルールをまとめた文書を指す、日本のGTARP界隈で使われる呼び方。参加者はこれを読み、遵守することが求められる。多くのサーバーでは、RP中に六法そのものを話題に出すこと(ルールを盾に取るような言動)を避けるよう求めている。内容はサーバーごとに大きく異なるため、参加前に必ず一読しておきたい。
市/政府/市長(し/せいふ/しちょう)
サーバーの運営・管理者を、RPの世界観に合わせて言い換えた表現。街の制度や方針を決める存在として、「市」「政府」「市長」などと呼ばれる。サーバーによって呼び方や役割の表現は異なる。
BAN/キック
BANはサーバーからの追放(多くは恒久的)、キックは一時的な強制退出を指す。RDMやVDM、メタなどの重大な違反に対する措置として用いられる。
用語の確度について
本記事の用語のうち、RDM・VDM・メタ・パワープレイ・NLR・CK・PKといった禁止行為系の定義は、複数の独立した用語集や各サーバーのルールで共通して確認できる、確度の高いものである。ただし、ダウンと死亡の区別やCKの適用条件などは、サーバーや国によってルールが大きく異なる。同じ言葉でも街ごとに細かな解釈が違うことは珍しくない。この記事はあくまで最初の土台であり、わからない言葉やローカルなルールに出会ったら、その街の住人に尋ねるのが最も確実である。
なお、英語圏のRPサーバーではFail RP、Fear RP、/me、/doといった用語も使われるが、日本のGTARP文化では一般的とは限らない。そのため本記事では、初心者が国内のサーバーや配信文化で実際に出会いやすい用語を中心に扱っている。
免責事項
本記事はGTA6 FEEDが各種公開情報をもとに調査・整理した解説記事であり、Rockstar GamesおよびTake-Two Interactive、ならびに記載した各サーバー・各企画の運営とは一切関係がない。用語の定義や運用はサーバー・コミュニティによって異なり、時間の経過とともに変化することがある。最新かつ正確なルールについては、参加する各サーバーの公式情報を確認されたい。
