GTA6、PS5 Proでも30fps?Rockstar先行プレビューで判明した“現在の動作”と60fpsの可能性
「PS5 Proなら、さすがにGTA6を60fpsで遊べるのではないか」。
『Grand Theft Auto VI』の発売を待つプレイヤーの間では、以前からそんな期待があった。通常のPS5より高いグラフィック性能を持つPS5 Proは、PlayStation StoreでもGTA6の対応機能として正式に「PS5 Pro Enhanced」と表示されている。最高のコンソール環境でGTA6を遊びたい人にとって、PS5 Proは有力な選択肢に見える。
ところが8月27日、Rockstar Northを訪問していたブラジルのクリエイターDavy Jonesから、少し気になる情報が出てきた。
彼がRockstar Northで実際に見たGTA6は30fpsで動作していたという。さらにDavy Jonesは、その場でRockstar Northの開発責任者Rob Nelson氏へ「30fpsなのか、60fpsなのか」「PS5 Proではどうなるのか」と直接質問している。
その回答によって見えてきたのは、「PS5 Proでも30fps確定」という単純な話ではない。
しかし同時に、現段階のRockstarがGTA6を30fpsを前提とした状態で動かしていることを示す、これまででもっとも具体的な情報でもある。
Rockstar Northで見せられたGTA6は30fpsだった
今回の情報源となったDavy Jonesは、TGGやEl Rubiusらと同じく、7月にスコットランド・エディンバラのRockstar Northへ招待されていたクリエイターのひとりだ。
Extended Look公開後、彼は現地で見たGTA6について次々と情報を明かしている。そのなかでフレームレートについても質問しており、ブラジルのFlow Gamesは、Rob Nelson氏の説明として現在の開発段階ではコンソール版が30fpsで動作していると報じた。Flow GamesはPS5 Proについても同様に30fpsだったとしている。
Davy Jonesが見たデモではフレームレートカウンターも表示されており、30fpsで動いていることを直接確認できたと報じられている。
これは、今回公開された「Grand Theft Auto VI: An Extended Look」の内容とも大きく矛盾しない。
Rockstar自身がExtended Lookについて、すべてPlayStation 5上で撮影されたゲーム内映像だと明記している。PS5 Proではなく通常のPS5で、今回披露された密度の世界が実際に動いているわけだ。
ただし、ここから「発売版は全機種30fps固定」と結論づけるのはまだ早い。
Rob Nelson氏は「発売版も30fps」と断言していない
Davy Jonesはさらに踏み込んで、60fpsの可能性やPS5 ProについてNelson氏へ質問している。
ここでNelson氏は、「60fpsには対応しない」と答えたわけではなかった。
正確な技術的回答をするにはRockstarの技術チームに確認する必要があるという趣旨の回答をしており、解像度やレイトレーシングを含む最終的な技術仕様についても、この場では明言していない。
つまり、現時点で整理できる状況はこうだ。
Rockstar Northで披露された現在のGTA6は30fpsで動いている。PS5 Proを含め、現在確認されているコンソール環境について60fpsモードは発表されていない。一方でRockstarは、発売時にも必ず30fpsしか選べないとは正式発表していない。
この「現在の開発状況」と「製品版の確定仕様」が海外の見出しでは混ざり始めている。
「GTA6はPS5 Proでも30fps確定」という表現は、現時点では少し強すぎる。
より正確に言えば、
現在のGTA6はPS5 Proを含むコンソールで30fpsをターゲットとしており、60fpsモードについてRockstarはまだ約束していない
という段階だ。
では「PS5 Pro Enhanced」とは何なのか
ここで当然出てくるのが、「だったらPS5 Pro Enhancedって何なの?」という疑問だろう。
GTA6の日本版PlayStation Storeには、スタンダード・エディション、アルティメット・エディションともに「PS5 Pro Enhanced」と明記されている。これは噂ではなく、PlayStation公式ストアで確認できる情報だ。
画像: 内容を分かりやすく伝えるためのイメージ画像。実際のGTA6のゲーム画面・公式素材ではない。
ただし、「PS5 Pro Enhanced」という表示は60fpsを保証するものではない。
PS5 Proでは、GPU性能の向上に加えて、AIを利用したアップスケーリング技術PSSR、レイトレーシング性能の強化などが用意されている。SonyもPS5 Proについて、高解像度化、高フレームレート、レイトレーシングなどをタイトルごとに活用できるハードウェアとして説明している。
ゲームによってはPS5の30fps相当の画質を60fpsで実現するためにProの性能を使う。一方で、フレームレートはそのままに、より高い解像度や高品質な反射、影、描画距離などへ性能を振り分けることもできる。
つまりGTA6がPS5 Pro Enhancedだからといって、
通常PS5=30fps、PS5 Pro=60fps
になるとは限らない。
たとえば30fpsを維持したまま、通常PS5より高い内部解像度、より高品質なレイトレーシング、安定したPSSR、遠景や反射表現の強化などがPS5 Pro版の特徴になる可能性もある。
現時点では、Rockstarがその中身を発表していないだけだ。
なぜPS5 Proでも60fpsが簡単ではないのか
では、通常PS5より高性能なPS5 Proでも、なぜGTA6の60fpsがこれほど疑問視されるのだろうか。
ここで重要になるのが、ゲーム機の性能を単純に「グラフィックが何倍速いか」だけでは判断できないという点だ。
GTA6で画面に映っているのは、美しい建物や車だけではない。
街を歩く大量のNPC、それぞれの反応、交通システム、警察の捜査、車両や物体の物理演算、店や施設、天候、時間帯、遠くを走る車、プレイヤーの行動を認識する周囲の人々――今回のExtended Lookと先行プレビューからは、GTA6が非常に多くのシステムを同時に動かしていることが分かってきた。
特に今回明らかになった新しい警察システムは象徴的だ。
誰が犯罪を目撃したのか、どの服装を見られたのか、どの車を使ったのかといった情報をゲーム側が扱う。NPCも以前のように単純に逃げるだけではなく、状況によって抵抗する。車ひとつ盗む場合でもセキュリティや追跡装置が存在する。
こうした世界の「裏側の計算」を主に担当するのがCPUだ。
PS5 Proは通常PS5からGPU側が大きく強化された一方、CPUについてはそれほど劇的な世代交代をしていない。この点についてDigital FoundryはPS5 Proの登場以前から、GTAのような複雑なシミュレーションを行うゲームではCPUがボトルネックになる可能性を指摘し、通常PS5で30fpsを前提とするゲームをPS5 Proだけで60fpsへ倍増させるのは難しいとの見方を示していた。
2026年に入ってGTA6の詳細がさらに明らかになった後も、Digital Foundryは同様に60fpsには慎重な見方を示している。
そして今回、Rockstar Northの実機デモが30fpsだったことで、その分析に初めて開発現場側からの具体的な情報が重なったことになる。
発売前にDigital Foundryが示していた予想(2026年7月時点)
Rockstar Northの先行プレビューより前、2026年7月の時点で、技術分析メディアのDigital Foundry(DF)はすでに「GTA6はPS5 Proでも30fps、よくて40fps」という見立てを示していた。当時GTA6 FEEDでも取り上げたこの分析は、今回の30fpsという情報とほぼ重なる内容なので、ここで振り返っておきたい。
DFのWilliam Judd氏は、トレーラーや予約開始時のスクリーンショット、Rockstarの過去作の傾向から、GTA6が60fpsに達するのは難しいと分析した。DFでは2024年の時点でもRichard Leadbetter氏が同じくCPUのボトルネックを指摘しており、一貫した見方だ。NPCの挙動、交通、物理演算、レイトレーシング、ストリーミング、アニメーションといった世界の処理を、60fpsならおよそ半分の時間で更新し続けなければならない。Judd氏はGTA6の世界を『Dragon's Dogma 2』や『Baldur's Gate 3』といった重量級のRPGより「一段上の難しさ」とし、陸・海・空を高速で移動でき、車両ごとに重い物理演算が必要になる点を挙げて、この種の負荷が従来からコンソールを30fpsに縛ってきたと説明していた。PS5 ProのCPUはベースのPS5からわずかしか向上していないため、GPUの強化だけでは60fpsの壁は越えにくく、現実的な落としどころは120Hzディスプレイ向けの40fpsモード(フレーム時間25ミリ秒。30fpsの33.3ミリ秒と60fpsの16.7ミリ秒のちょうど中間)だろう、というのがDFの見立てだった。一方でDF自身、外れる可能性はあるとし、もし外れればGTA6はRockstarとして初めて発売時からコンソールで60fpsを狙うオープンワールド作品になる、とも述べていた。
当時は反対の材料もあった。ポーランドの小売店Media MarktのFAQとされる情報が流出し、PS5・Xbox Series X向けに「Quality(高画質・30fps)」と「Performance(60fps)」の2モードがあると書かれていたのだ。ただしDFは、多くのPS5作品が同じような2モードを定型文として載せていることから決定的な証拠にはならないと懐疑的で、仮に「Performance」があっても40fpsや、画質を抑えて30fpsを安定させるモードの可能性があると見ていた。過去作を振り返っても、GTA IV・GTA V・RDR2はいずれもコンソールで30fpsで発売され、GTA Vに60fpsモードが加わったのはPS5・Xbox Series X|S版が出たあとのことだ。
こうして7月時点のコンセンサスは「ベースのPS5とXbox Series Xは30fps中心、PS5 Proは30fpsが濃厚で運が良ければ40fps、Xbox Series Sは30fps固定、60fpsは発売時には望み薄で将来のパッチに余地」というものだった。8月のRockstar Northでのデモが30fpsだったことで、この予想は開発現場の情報によって裏づけられた形になる。ただし、Rockstarが製品版の仕様をまだ発表していないという点は、7月時点から変わっていない。
「解像度を下げれば60fps」は必ずしも通用しない
ゲームではよく、「4Kをやめて1080pにすれば60fpsにできるのでは」と考えられる。
GPUが限界になっているゲームなら、それは有効な方法だ。描画するピクセル数を減らせばGPUの仕事が軽くなり、フレームレートを上げられる可能性がある。
しかしCPUが先に限界へ達している場合は事情が違う。
画面を1080pにしても、NPCは半分の速度で考えてくれるわけではない。交通量も、物理演算も、警察AIも、世界のシミュレーションも動き続ける。
30fpsから60fpsへ上げるためには、それらの処理もより短い時間の中で完了させなければならない。
だからこそ、PS5 Proの強力なGPUやPSSRがあれば必ず60fpsになる、とは言い切れないのである。
むしろPS5 Proでは、CPU側で維持できるフレームレートの範囲内で、余ったGPU性能を画質へ振り分けるという使い方も十分に考えられる。
30fpsならGTA6は「ダメ」なのか
ここも分けて考える必要がある。
60fpsに慣れている人にとって、30fpsと60fpsの違いはかなり分かりやすい。カメラを素早く動かしたとき、銃撃戦で照準を合わせるとき、高速で車を運転するときなどは、60fpsの方が映像だけでなく操作の反応も滑らかに感じやすい。
だから「できれば60fpsで遊びたい」と考えること自体は当然だ。
一方、Rockstarはこれまで新作オープンワールドの発売時に、世界の密度や映像表現を優先して30fpsを選んできた歴史もある。
『Grand Theft Auto V』も当初のコンソール版は30fpsをターゲットとしており、『Red Dead Redemption 2』もコンソールでは長く30fpsを前提としていた。GTA VがPS5やXbox Series X|Sで60fpsに対応したのは、世代をまたいだ後のことだ。
GTA6も同じ思想を選んだとして、不思議ではない。
今回のExtended Lookを見れば、Rockstarがどこへハードウェア性能を使っているのかもある程度想像できる。
大量の人間が存在し、車が走り、店舗があり、建物の内部まで作り込まれ、水やガラスには複雑な反射があり、それらが巨大なLeonidaの中で同時に動いている。
Rockstarにとって30fpsは「60fpsを実現できなかった結果」というより、何を画面に存在させるかを優先した結果として選ばれる可能性のある設計判断なのかもしれない。
実際、Davy Jonesが伝えたNelson氏の言葉も、30fpsを謝罪するようなものではなく、現在画面上で動かしている大量の要素を踏まえて30fpsでの出来に自信を持っているようなニュアンスだったと報じられている。
それでもPS5 Proユーザーが気になるのは当然
一方で、PS5 Proを所有しているユーザーからすれば「通常PS5と同じ30fpsなら、何が違うのか」と思うのも自然だろう。
その答えはまだRockstarから示されていない。
PlayStation StoreにはPS5 Pro Enhancedと書かれている以上、何らかのPro向け強化が存在することは確認できる。しかし、それが高解像度なのか、レイトレーシングなのか、PSSRなのか、より安定した30fpsなのか、あるいは別のグラフィックモードが存在するのかは不明だ。
ここは今後Rockstarから発表される技術仕様で、かなり重要なポイントになる。
特にGTA6のためにPS5 Proを購入しようと考えている場合、現段階で「PS5 Proなら60fps」と期待して本体を選ぶのは避けた方がいい。
PS5 Pro版が存在し、Enhanced対応することは確定。60fpsは未確定。
このふたつは分けて考える必要がある。
60fps以外に「40fps」という可能性もある
もし60fpsが技術的に難しかった場合、もうひとつ考えられるのが40fpsモードだ。
これはRockstarが発表した情報ではなく、Digital Foundryなど技術系メディアが可能性として挙げているものなので、現時点では完全に推測の範囲になる。
近年のコンソールゲームでは、120Hz対応テレビを利用している場合、30fpsと60fpsの中間となる40fpsを選べる作品も増えている。
60fpsほどではないものの30fpsよりかなり滑らかに感じられ、同時に高品質なグラフィックも維持しやすい。
PS5 Pro Enhancedという立場を考えれば、
通常PS5では30fps、PS5 Proではより高品質な30fpsや40fpsモードを用意する、といった構成も技術的な選択肢としては考えられる。
ただし繰り返しになるが、GTA6に40fpsモードが存在するという情報はRockstarから一切出ていない。
現時点では「そういう落としどころもあり得る」という技術的な予想に過ぎない。
現時点で分かっていること、まだ分からないこと
今回の情報を追っていくと、「GTA6はPS5 Proでも30fps」というニュースには、事実と推測がかなり混ざっていることが分かる。
確実に言えるのは、Rockstar Northで披露された現在のコンソール版GTA6が30fpsで動作していたこと。そしてDavy JonesがPS5 Proと60fpsについて直接質問したものの、Nelson氏は最終的な技術仕様については技術チームへの確認が必要だと答えたことだ。
また、GTA6がPS5 Pro Enhanced対応であることもPlayStation Storeで正式に確認できる。
一方で、PS5 Proに60fpsモードが存在するのか、通常PS5にパフォーマンスモードがあるのか、40fpsモードがあるのか、各機種の解像度はいくつなのか、どのようなレイトレーシングが使われるのかについては、まだ正式発表されていない。
したがって現時点では、
PS5 Proでも30fpsしか出ないことが確定した
ではなく、
現在のGTA6はPS5 Proを含め30fpsで動いており、60fpsについてRockstarはまだ約束していない
と理解するのがもっとも正確だ。
30fpsという数字の向こうに、Rockstarが何を優先しているのかを見る
今回の話は、「30と60、どちらの数字が大きいか」だけで終わらせると、GTA6について重要な部分を見落としてしまう。
Extended LookとRockstar Northの先行プレビューから明らかになったのは、GTA6が非常に多くのシステムを同時に成立させようとしていることだ。
画像: 内容を分かりやすく伝えるためのイメージ画像。実際のGTA6のゲーム画面・公式素材ではない。
街を歩くNPCはプレイヤーを認識し、犯罪を目撃すれば通報する。警察は目撃情報をもとに犯人を探し、車両や服装まで捜査に利用する。盗む車によって必要な道具も違い、ジェイソンとルシアはプレイヤーが操作していない間もそれぞれの生活を続ける。
こうしたシステムの詳細は「Extended Lookだけでは分からないGTA6新情報まとめ」で整理している。
そのうえで巨大なVice CityとLeonidaを描き、今回見せたグラフィックを通常のPS5上で動かしている。
もしRockstarがその世界を維持するために30fpsを選んでいるのであれば、GTA6にとって重要なのは「PS5 Proなのに30fpsしか出ない」という話ではなく、Rockstarがフレームレートと引き換えに何を動かしているのかなのかもしれない。
もちろん、発売までまだ時間はある。
最適化によって新しいモードが追加される可能性もあれば、PS5 Pro専用の仕様が後から詳しく発表される可能性もある。反対に、最終的に30fpsのみで発売される可能性も残っている。
GTA6の発売日は2026年11月19日。
フレームレートについて初めて具体的な情報が出てきた今、次に待たれるのは噂や分析ではなく、Rockstar自身によるPS5、PS5 Pro、Xbox Series X|Sそれぞれの正式な技術仕様だ。
GTA6 FEEDでは、PS5 Pro Enhancedの詳細や60fps・グラフィックモードについて新たな公式情報、またはRockstar Northを訪れたクリエイターから追加の証言が出た場合も引き続き追っていく。
注記: 本記事はDavy Jonesの発言をもとにしたFlow Games、Push Squareなど各メディアの報道と、公開されている公式情報をまとめたもので、発言の日本語部分は編集部訳・要約を含む。正確な文言は各原文を参照してほしい。フレームレートに関する記述は2026年8月時点の開発中ビルドについてのものであり、製品版の仕様はRockstarから正式発表されていない。40fpsモードの可能性は技術系メディアによる推測であり、Rockstarの発表ではない。「発売前にDigital Foundryが示していた予想」の節は、2026年7月時点のDigital Foundryの技術分析と、小売店FAQとされる流出情報(未確認)にもとづく当時の予想の記録である。また、本記事の画像のうちイメージ画像には、その旨を各画像のキャプションに記載している。それ以外はRockstar Games提供の公式素材である。

