GTA6 Onlineは32人? Rockstar裁判資料に“online 32 player format”――現時点で分かっていること

GTA6について、街、キャラクター、車両、NPCなどさまざまな情報が明らかになってきた一方、いまだほとんど姿を見せていないものがある。

オンラインだ。

GTA Onlineが10年以上にわたって巨大なコミュニティを形成し、さらにRockstarがCfx.reを傘下に迎え、2026年にはNoPixel VをRockstar Games Launcherから展開するところまで来た現在、「GTA6世代のオンラインはどうなるのか」は多くのプレイヤーが知りたい最大級のテーマだろう。

そんななか、思わぬところから具体的な数字が出てきた。Rockstar Gamesをめぐる雇用審判の資料に、“online 32 player format”――「32人形式のオンライン」という記述が登場したのだ。

裁判資料に出てきた「32人形式」

今回の情報はRockstarによるGTA6 Onlineの正式発表ではない。発端となったのは、2025年にRockstarを解雇された元従業員らと会社側が争っている雇用審判だ。Rockstarは解雇理由について、外部の人物も参加するDiscordで従業員が機密情報を共有していたためだと主張しており、その証拠として問題となった会話について説明している。審理の争点は審理初日を伝えた記事で整理している。

その中で登場したのが、「online 32 player format」という言葉だった。Rockstar側は、従業員らがDiscordでゲーム機能について率直に言及していたとし、その例として32人形式のオンラインに関する情報を挙げている。RockstarのJennifer Kolbe氏も、まだ公になっていない機密プロジェクトについて従業員がオンラインのプレイヤー数を共有していたことを重大な問題として扱っている。

興味深いのは、単に「32人」という数字が出たことだけではない。Rockstarはゲーム機能を「会社で最も厳重に守られている秘密の一つ」として扱っており、オンラインのプレイヤー数もその機密情報に含まれていた。つまり少なくとも開発内部では、オンラインの人数設定が製品設計に関わる重要な情報として扱われていたことになる。

実は「32人」という数字は以前にも出ていた

今回初めて突然32という数字が現れたわけではない。2026年1月に報じられた同じ労働紛争の資料でも、Rockstar内部で32人規模のオンラインテストを実施するための人員調整について話していたことが明らかになっていた。当時は休暇やテスト参加者の確保についてのやり取りの中で登場した数字だったため、「32人でテストした=製品版も32人」とは判断できなかった。

しかし今回、Rockstar側の資料でより直接的な“online 32 player format”という表現が確認されたことで、この数字が再び注目されることになった。少なくとも「たまたま32人集めてテストした」というだけではなく、開発過程のどこかで32人という人数を前提としたオンライン形式が存在していた可能性は以前より高くなったと見ることができる。ただし、ここには大きな注意点がある。

「GTA6 Onlineは最大32人」と確定したわけではない

現時点でRockstarは、GTA6のオンラインモードについて「最大32人」と正式発表していない。今回の資料から分かるのは、開発中の機密プロジェクトについて「32人形式のオンライン」が社内で扱われていたということまでだ。これがそのまま2026年11月以降にプレイヤーが遊ぶGTA6世代のオンライン仕様になるのか、開発途中のテスト形式なのか、別のオンラインサービスを指しているのかまでは公開資料だけでは断定できない。

ゲーム開発では、発売までにプレイヤー数やネットワーク仕様が変更されることも珍しくない。仮にGTA6を使ったテストだったとしても、32人が最終的な上限になるとは限らない。

そのため現時点では、「GTA6 Onlineは32人」ではなく、「Rockstar内部で32人形式のオンラインがテスト・検討されていたことを示す資料が存在する」と捉えるのが最も正確だ。

もし32人なら、現行GTA Onlineとあまり変わらない?

ここで疑問になるのが、「次世代のGTAなのに32人だけなのか」という点だろう。現在のGTA OnlineについてRockstar公式は、最大30人で遊べるオンライン世界と案内している。つまり32人がそのままGTA6世代のオンライン人数だった場合、単純な数字だけを見れば大幅な増加ではない。

しかし、オンラインゲームの進化は同時接続人数だけでは測れない。GTA6ではNPCの密度、交通量、インテリア、物理演算、プレイヤーと世界のインタラクションなど、現行GTA Onlineよりはるかに複雑な世界を扱うことになる可能性がある。その環境を32人のプレイヤーで共有し、それぞれが車両を動かし、NPCや警察、ミッション、建物などへ同時に干渉するのであれば、サーバー側で処理する情報量は単純な「32人」という数字以上になる。

だから、仮に最終仕様が32人だったとしても、「GTA Onlineから2人増えただけ」と判断するのは早い。重要なのは人数ではなく、その32人がLeonidaという世界でどこまで同時に世界へ干渉できるのかだ。

では「100人サーバー」のようなGTA RPはどうなる?

FiveMやGTA RPを遊んでいる人なら、ここも気になるはずだ。現在のFiveMでは、一般的なGTA Onlineとは比較にならない人数が一つのサーバーへ参加する環境も珍しくない。警察、救急、ギャング、飲食店、メカニックなど多数のプレイヤーが同じ街で役割を持つことで、通常のGTA Onlineとはまったく違う遊びが成立している。そのためGTA6世代でも、「もっと大人数の街になるのでは」と期待していた人は多いだろう。

ただ、今回出てきた32人という数字とFiveM型のRPサーバーを直接比較することはできない。Rockstarの公式オンラインと、Cfx.reの技術を利用したCommunity Serverでは設計思想そのものが異なる可能性があるからだ。

RockstarはすでにCfx.reのチームを傘下に迎え、2026年9月にはNoPixel VをRockstar Games Launcher上で展開している(NoPixel V初日の様子)。つまり現在のRockstarには、従来型のGTA Onlineと、大人数のコミュニティサーバーという二つのオンライン文化が存在している。ここからGTA6世代で両者がどのような関係になるのかは、まだ分からない。

公式オンラインは32人前後の密度を重視した体験を提供し、Community Server側ではより大人数のRPを可能にする――そんな役割分担も考えられるが、現時点ではあくまで可能性の一つであり、RockstarからGTA6向けFiveMやCommunity Serverの具体的な仕様は発表されていない。

なぜRockstarはオンラインについて何も話さないのか

今回の資料でもう一つ見逃せないのが、Rockstar自身がオンライン関連の情報を非常に重要な機密として扱っていることだ。これまでGTA6ではJasonとLucia、Leonidaのロケーション、登場人物、世界観など大量の情報が公開されてきた。それでもオンラインについては驚くほど情報が少ない。

そして裁判資料では、オンラインのプレイヤー数に関する内部情報を従業員が外部Discordで話していたことについて、Rockstar側が強い問題意識を示している。これは裏を返せば、RockstarがGTA6世代のオンラインをまだ意図的に隠している可能性が高いということでもある。

現行GTA Onlineは今なお運営され、9月にもBusiness Rivalriesイベントなど新しい施策が続いている。Rockstar公式も現在のGTA Onlineを「進化し続けるオンライン世界」として展開している。だからこそ、新世代オンラインをいつ、どのような形で発表し、現在のGTA Onlineユーザーをどう移行させるのかは、Rockstarにとって極めて重要なマーケティングカードになる。

「32人」より、その先に何があるのか

今回の裁判資料によって、GTA6のオンラインに関する謎が一気に解けたわけではない。むしろ逆だ。32人という具体的な数字が一つ出てきたことで、「それは製品版の人数なのか」「現在のGTA Onlineはどうなるのか」「GTA6世代でもキャラクターを作り直すのか」「Leonida全域を自由に移動できるのか」「FiveMやNoPixelのようなCommunity Serverとはどう共存するのか」と、新しい疑問が一気に増えた。

それでも、ほとんど何も語られてこなかったGTA6のオンラインについて、Rockstar自身の裁判資料から、“online 32 player format”という具体的な言葉が出てきた意味は小さくない。

GTA6本編の発売まで残り約2か月。JasonとLuciaの物語だけでなく、その後何年にもわたってプレイヤーが暮らすことになるかもしれない「もう一つのLeonida」がどんな世界になるのか。

GTA6について残された最大の秘密の一つは、まだほとんど開けられていない。


注記: 本記事は、Rockstar Gamesの元従業員らによる雇用審判をめぐる英国各紙の報道と、Rockstar Games公式サイトの掲載内容をもとにGTA6 FEEDが整理したものであり、Rockstar Games/Take-Two Interactive/Cfx.re/NoPixelとは一切関係がない。「online 32 player format」はRockstar側が審判で示した資料・主張に含まれる表現で、GTA6のオンラインモードの仕様としてRockstarが正式に発表したものではない。GTA6世代のオンラインとCommunity Serverの関係についての記述は、本記事執筆時点での考察を含む。掲載画像はRockstar Gamesが公開した公式スクリーンショット・アートワークであり、本記事で扱っている裁判やオンラインの仕様を写したものではない。